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「米どころ壱岐島、幻の山信米を食す」

壱岐島は、離島の中では圧倒的に平野が多く、島の約30%が耕作地と恵まれ、随所に水田が点在している。自給自足できる離島は佐渡島と壱岐島だろうとも言われている。壱岐を訪れる観光客からも「壱岐のご飯は美味しい!!」との声が頻繁に聞かれる。

壱岐の米どころとして、島民に知られている「山信(やまのぶ)地区」
この地を知ったのは4年ほど前のこと。

初めて訪れた際、目の前に広がる田畑を見渡した瞬間「この地形と自然環境の中で育つ、お米はきっと美味しいはず」と私の食の記憶にインプットされた。

この地区は人家も少なく、自然林に囲まれ、日当たりの良い南に向かって平野が下りながらT字形に広がっている。

Googleマップで調べてみると、周囲約2kmの狭いエリアに10を超える神社があり、水田を囲むように建立されている。さらに、その一つ一つに「鎮守の森」があり、太古の自然林が成立している。

また、山すそと田んぼの間には、水を引くための側溝が機能的に張り巡らされている。降り注ぐ雨水は自然林の地表を伝い、ミネラル分の多い表層水となり、全体の田に導かれる仕組みになっている。その仕組みが美味しい米の条件のひとつを支えている。

この「幻の山信米」を生産者から思いもよらず頂くことができた私は脳がピクンと喜んで反応した。

この米をより美味しく食べるには、掛け干しで抜かれた水分を山信の湧水(表層水)で研いで炊いた方が、本来の実力を引き出すに違いないと思い、山信の湧水を汲みに行ったのである。

炊きあがった山信米は、「香り」が違っていた。

鼻腔に広がる古からの懐かしい香り。

口に含めば、山信の土の味が加味され、なんとも表現しがたいミネラルが舌に染みてくるではないか。

「味覚遺産」

そんな言葉がもしあるとしたなら、この「山信米」は壱岐で登録されるべき遺産の一つなのかもしれない。

守り続けたいお米が、この壱岐島でひっそりと輝いている。

(文:ビューホテル壱岐代表取締役 吉田 繁)

※表層水は適切に処理して使用しています。